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コトタマ


「野の花」2021/04

また野の草花が萌える季節がやってきました。

 ノ語を視覚的に理解し易い存在に野(ノ)があります。野には雑木類をはじめ、あらゆる草木花鳥昆虫に到る生物が、いわゆるエコロジー(生物生態系)的に連環した総合的生命の中に、それぞれが個として生きています。そうした融合一体化した生命の場を私たちは野といっています。

 野で表現されるエコロジー的な生命観を、そのままイノチと表現した祖先の洞察力は、宇宙自然(カミ)の法則であって逃(ノガ)れる(野枯れる)ことのできない個々の生命の在り方を喩えるコトバの伝承です。

 そのアリカタがそのまま、アリカタシ(有難し)といい、感動や感謝のコトバになるのも、全生命の一環として自覚のためでしょう。

 生物生態系といえば、現代の自然科学用語ですが、一輪の野の花の背景にも感覚的に宇宙自然とのつながりを感じて歌っている日本人の詩歌の心は、既にそのことを直観しています。

 即物的な個としての花の生命ではなく、そのイノチのエコロジー的な拡がりに無限の天地を表現しようとするところに、日本の華道の心があります。

 自然法則の構造をコトワリ(理)して秩序立てることをノ理といい、それが法(ノリ)であり則(ノリ)です。法則(ノリ)はあくまでも人間の知的作業であって、実質は融合一体のノ理であってみれば、密着の機能をもつ糊をノリというのも当然かもしれません。法に則って行動運動することをノルといい、乗るという漢字は、その視覚的な表現となります。

 イノル(祈)はイノチ(命)と同列のコトバであって、イノチは統一的な目に見えぬエネルギー(力)であり、イノルはその運動エネルギーです。いってみればイノチはイノルことによって一層その活力を発揮することになります。イ語は宇宙自然の法則(ノリ)に通じる意(イ)であり、そのままイノリになり、宇宙自然の法則を現実化しようとする祈念の心を祝詞(ノリト)といいます。

 

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